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【2020年度与党税制改正大綱】オープンイノベーション促進税制に想ふ

自民、公明両党の税制調査会では、2020年度の与党税制改正大綱に「オープンイノベーション促進税制」の創設を盛り込む予定で、その内容は大企業が設立10年未満の非上場企業に1億円以上を出資したら、出資額の25%相当を所得金額から差し引いて税負担を軽くする優遇措置を設ける予定とのこと。

主な狙いとしては大企業が自社にない革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップと協業し、新たな利益の源泉となるイノベーションを起こしやすくすることとともに大企業が自社にため込んだ内部留保資金を吐き出させて活用するよう促す狙いもあるようです。

国税庁の平成29年度の法人企業統計では日本国内では法人は2,693,956社存在している。ただ、そのうち資本金が1億円以下の企業が2,673,030社あり、全体の99%で、資本金1,000万円以下が2,472,242社で全体の91.76%の大多数を占めることになります。

出資形態の詳細はまだ明らかになってませんが、普通株式の第三者割当増資の引き受けなどのみであれば、経営権はほぼ出資した大企業にグリップされることになり議決権行使の名のもとに今後益々企業グループ化が加速することになるかもしれません。

キラリと光る良いものを持った企業が独自の感性で成長していくのか、それとも出資引き受けにより大企業のカラーに染まり成長していくのかメリットデメリットは様々ありますが、個人的には一般消費者の趣味嗜好が多様化している中では独自色のある尖った企業が沢山出現し、経済界を刺激して欲しいと思っています。