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【恋人なら前ZOZO前澤社長、結婚なら澤田社長 ~企業ステージにおける天才の苦悩と秀才の苦悩~】

恋人にするならジェットコースターのようなスリルがあり、奇想天外で毎日が型にはまらないワクワクとした人といたい。

結婚するなら抑揚がなくてもいいから細く末永くでもいいので安定して着実な人生設計できる人といたい。

女性の方が恋人と結婚相手に求める条件の違いというところでしょうか。

昨日ZOZOタウンとヤフーとの資本提携における会見を全て生放送で拝見しました。

カジュアルなTシャツ姿で登壇した前澤さんのどこか張りつめていたものを降ろしたような表情を見たときまだ旧商号のスタートトゥディの際に本社幕張まで会社訪問し、お話させていただいたことがつい先日のように思い出しました。

非競争主義をモットーに特に労働環境づくりは独特で

・6時間労働

・給与全員一律

・千葉住宅手当 etc

は一般的にも有名ですね。

今回のヤフーとの資本提携発表会でしたが、前澤さんの新しい月旅行や新事業への第二ステージへの挑戦という前向きな発表もありましたが、率直に感じたことはZOZOタウンにおける前澤社長の牽引する時代は終焉を迎えたという印象をとても強く感じました。

生まれながらの経営者、創業者は天性の勘やセンスがあり、それはもやは動物的嗅覚です。

求められていると感じるものを肌感覚で感じ取りそれをビジネスモデルに構築して展開できるそんな能力があります。

創業期はアートと似ています。

一方、会社が大きくなってくると従業員や他の役員にも何故それを取り組む必要があるのか、いつまでにどのくらい利益が出るのか、系統だてて、計数でロジカルに説明する必要があります。

これは科学の世界になります。

アートを描ける芸術家は習ってできる方もいますが、実際には天賦の才によるものも大きく、一方、科学はロジックを学んでいれば量産することが可能です。

副社長が数名いる会社はありますが、社長が数名いる会社はほぼないですよね。

つまり、それだけ社長は希少性が高く、その中でも上記のような創業経営者のような勘やセンス、動物的嗅覚で芸術的なアイデアを生み出す経営者はとても少ないのです。

株主、取引先、仕入先、従業員などからの沢山の「共鳴」を経営の評価基準にしてしまうと民主主義や多数決の論理となり、勘やセンスではどうも説明がつかなくなります。

現に有名な画家でもゴッホの絵画などは生前はあまり共鳴が得られず時代がたってから没後に有名になっています。

前澤さんが趣味の延長から創めたビジネスモデルは創業しすでに21年、アパレルでは国内最大級の登録者数700万人以上、出店企業数1,300店、そして一部上場をも果たしており、様々な利害関係者から「安定」を求められる存在となってしまいました。

今後のZOZOタウンを安定的に展開するには経営を科学的にロジカルに展開できる秀才タイプのコンサルタント出身澤田社長が適任かもしれません。

ただ一方で無から有を生じさせる気骨ある創業スピリッツが企業文化から削がれてしまうのもとてもリスクがあります。

これまで成長、牽引してくれていた存在の基盤に甘んじることなく、新しいアイデアやビジネスモデルを育て伸ばしていく風土は排除することなくそれを安定化させるのもこれまた秀才の苦悩であります。

天才タイプと秀才タイプ。

どちらが求められているか。それは企業の置かれるステージによって異なると思います。

皆様の周りの会社は今どちらを求めているステージでしょうか?